成果主義より年功序列? 新入社員に変化 6割が終身雇用を希望

2025/07/18 16:33 

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 成果主義より年功序列――。産業能率大総合研究所が実施した2025年度入社の新入社員に対する調査で、旧来の年功序列型の人事制度を望む声が「成果主義」を上回った。

 現在の調査方法になった06年度以降、年功序列が成果主義を上回ったのは初めて。担当者は「競争より安定した環境で、着実に経験を積みながら働き続けたいという意識が新入社員の間で高まっている」と分析している。

 「成果主義と年功序列どちらを望むか」を聞いたところ、「成果主義」は計43・6%だったのに対し、「年功序列」は計56・3%と半数を超えた。「成果主義」は06年度調査で65・3%を占めてから「年功序列」を常に上回っていたが、逆転を許した形だ。

 「終身雇用を望む」と回答した人は69・4%、「同じ会社に長く勤めたい」とした人も計89・2%となっている。若者の転職が珍しくない時代となっているが、新入社員の間で日本型雇用の再評価が進んでいる意外な実態が明らかになった。以前は、職務内容など「やりたいこと」を重視して仕事選びをしていたのに対し、最近では「プライベートを充実させる手段として、合理的に仕事を選んでいる人が増えている影響があるかもしれない」(担当者)という。

 実際、調査項目の「就職先を選ぶ際に重視した点」(複数回答)でも合理的意向がうかがえる。「職務内容」(24・1%)や「職種」(9・5%)は減少傾向にあり、逆に「福利厚生」(56・4%)や「給与水準」(42・8%)といった待遇面は増加傾向にあった。【嶋田夕子】

毎日新聞

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