セブンHD「単独での価値創造」 クシュタールの買収提案撤回に
セブン&アイ・ホールディングス(HD)に7兆円規模の買収提案をしていたカナダのコンビニ大手アリマンタシォン・クシュタールは16日(日本時間17日)、買収提案を撤回すると発表した。「セブン&アイによる建設的な協議の欠如」を理由に挙げている。敵対的買収に乗り出す可能性は否定した。セブン&アイは単独で成長を目指す方針だ。
クシュタールは同日、セブン&アイの取締役会に送った書簡を公開した。買収に向けた資産査定に必要な情報提供が不十分だとして「誠実で建設的な協議に応じてもらえなかった。ガバナンス(統治)体制に強い懸念を抱いている。全く真摯(しんし)な協議がなされない状況が続いている」とセブン&アイ側の対応を批判した。
これを受けてセブン&アイも声明を出し、提案撤回は「不本意」であり「(書簡の)数多くの誤った記述について賛同しかねる」と反論。そのうえで「想定され得たものだ」とも主張した。これまで社外取締役からなる特別委員会でクシュタールの提案と自社単独経営を並行して検討してきたが、今後は北米コンビニエンスストア事業を展開する子会社の新規上場などを通じ、「単独での価値創造の施策を継続して遂行していく」と強調した。
セブン&アイは2024年8月、クシュタールから買収提案を受けていることを発表。発行済み全株式を1株当たり14・86ドル(約2200円)で買い取る内容に対し、企業価値を「著しく過小評価している」などと指摘する書簡をクシュタールに送り、賛同できない意向を表明した。クシュタール側はその後、買収金額を同18・19ドル(約2700円)の総額7兆円規模に引き上げて再提案していた。
これに対抗する形で、セブン&アイ創業家の伊藤順朗会長(当時は副社長)側が自社買収(MBO)を検討していたが、総額8兆~9兆円規模とされる資金調達のめどが立たず、25年2月に断念したと発表した。
セブン&アイは24年10月、企業価値を向上させるため、イトーヨーカ堂など傘下のスーパー事業を切り離し、経営資源を主力のコンビニ事業に集中させる方針を表明。25年3月には社長交代を発表し、社外取締役のスティーブン・ヘイズ・デイカス氏がトップに就任していた。
クシュタールは、コンビニ「サークルK」などを運営し、北米や欧州を中心に29カ国・地域で約1万7000店舗を展開する。米国コンビニ事業のシェアは1位のセブン&アイに次ぐ2位だ。このため、買収した場合には反トラスト法(独占禁止法)に抵触する恐れがあり、米国の店舗の一部売却に向けた協議を進めていた。【佐久間一輝、鴨田玲奈】
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