日本ハムの2軍拠点 千葉から北海道内に移転へ 札幌近郊6市が有力

2025/07/07 15:22 

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

 プロ野球・北海道日本ハムファイターズは7日、千葉県鎌ケ谷市にある2軍拠点について、2030年をめどに道内に移転する方針を表明した。北広島市の1軍本拠地と近接させることで施設などを集中し、チーム強化を図ることなどが狙いだ。「札幌圏への移転を目指す」とし、既に6市と意見交換していることを明らかにした。

 新たな拠点には屋根を設けない5000席規模の球場や練習用サブグラウンド、室内練習場、選手寮を整備。さらに集合住宅や商業施設、宿泊施設なども複合的に設ける計画で、官民で取り組む周辺開発事業と位置づける。新たな事業創出や地域振興、若年層を中心とした野球人材の育成などにつなげることも目指す。

 意見交換しているのは札幌、江別、北広島、恵庭、千歳、苫小牧の各市。札幌と近郊に絞り込んだのは、北広島市のエスコンフィールド北海道や遠征時に利用する新千歳空港への交通アクセス、人口規模を踏まえた事業での収益性に利点があると判断したためだ。

 具体的な計画策定は今後進めるため、建築面積や事業費用などは未定。自治体との協議を経て27年ごろまでに立地場所を決め、2年間の施工期間を経て、30年に開業する見込みという。記者会見した小林兼・開発本部副本部長は「勝利のベースとなる新たな拠点づくり、地域とともに成長するまちづくりを目指す」と話した。

 現2軍本拠地の「鎌ケ谷スタジアム」は1997年に完成。球団は、施設の老朽化や、1軍本拠地が東京ドームから北海道に移転した04年以降に1、2軍の距離が離れた状態が続いていることを理由に、2軍拠点の移転を検討してきた。

 栗山英樹チーフ・ベースボール・オフィサーは「選手を育成できる拠点を北海道に作らせてもらいたい。鎌ケ谷の皆さんには感謝しかない。あの球場があったことでファイターズから世界に羽ばたいた選手はいっぱいいる」と語った。【谷口拓未】

毎日新聞

経済

経済一覧>

注目の情報