24年度税収は過去最高75兆円台の見通し 円安で法人税収伸びる

2025/06/30 20:14 

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

 2024年度の国の一般会計税収が5年連続で過去最高を更新し、75兆円台前半になる見通しになった。円安による法人税収の伸びなどが寄与し、前年度の72兆761億円を上回った。7月初旬に公表する。

 毎年度の税収は、3月期決算企業の納税額などが固まる5月納付分までが対象となる。財務省は、24年12月に閣議決定した補正予算で24年度税収が73兆4350億円になるとの見通しを示していた。税収の上振れは約1・8兆円生じた。

 24年度の税収が見込みより増えたことなどで、24年度の一般会計決算では、決算剰余金が生じるとみられる。決算剰余金は国債の償還に充てると法律で定めているほか、政府は防衛力強化の財源とする方針を示しており、大半は使途の見通しがある。

 一方、石破茂首相は、全国民に2万円を給付する物価高対策を自民党の参院選公約に盛り込んだ。首相は「税収動向などを見極めながら、適切に財源を確保する」としている。税収が好調に推移した24年度の流れを引き継ぎ、25年度も税収が上振れするとの見込みが念頭にあるとみられる。

 24年度は税収の2割を占める法人税が、記録的な円安が輸出関連企業の業績を下支えしたことなどから前年度より増収となった。SMBC日興証券の集計によると、上場企業の最終(当期)利益の合計は4年連続で過去最高を更新した。

 3割を占める消費税も増収となった。コメの価格高騰や円安により、24年度平均の消費者物価指数が3年連続で2%超上昇するなど物価高が響いた。所得税収は、24年6月から始まった定額減税の影響を受けて前年度比で減少した。【井口彩、竹内望】

毎日新聞

経済

経済一覧>

注目の情報