生成AIで電力需要増 発電所にデータセンター併設検討
国内発電大手JERAとさくらインターネットは5日に基本合意書を締結し、JERAが持つ発電所敷地内にデータセンターを新設するための検討に入った。生成AI(人工知能)などで電力需要の増加が見込まれる中、政府は電力と通信インフラを一体的に整備する「ワット・ビット連携」を推進しており、両社の動きもこうした流れに合致するものだ。
JERAが東京湾内に持つ10カ所の液化天然ガス(LNG)火力発電所のいずれかに併設する形で、データセンターを整備できるかを検討する。データセンターの仕様など具体的な内容は今後詰める。データセンターが運転中に発生する熱の冷却手法や将来的な脱炭素化電源の供給も合わせて検討する。
さくらインターネットは現在、北海道石狩市で自社のデータセンターを運営し、東京と大阪にデータセンターを持っている。石狩市にある拠点では水力発電を利用するなど再生可能エネルギー電源を活用してきた。
さくらインターネットは「現状、国内で全てのAI需要を賄うための再エネ供給は十分とは言えない」との認識を示し、既設の火力発電所の利活用を検討の俎上(そじょう)に挙げたとした。ただ、同社の広報担当者は「火力発電への方針転換でなく再エネも引き続き活用していく前提だ」と強調した。
LNGは石炭などに比べて比較的低炭素で、政府も2050年の脱炭素社会実現に向けた「現実的なトランジション(転換)の手段」と位置づけ、官民一体で長期契約を確保する必要性を指摘している。
さくらインターネットは1月、生成AI開発のプリファードネットワークスや半導体受託製造ラピダスとの協業を発表。生成AI向けのクラウドサービスなどの「国産AIインフラ」を整備し、データセンター事業者に提供することを計画している。
今回のJERAとの基本合意もこうした流れを受けたもので「日本の産業競争力強化」を最終目標の一つに掲げた。
JERAは、さくらインターネットの他にも複数の事業者とデータセンターの発電所敷地内への誘致について検討を進めている。今後、送配電線を介さずに電力を供給することが問題にならないのかといった、法令上の課題についても規制当局との確認を進める。【中島昭浩】
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