米子バイオマス発電所、事業廃止へ 火災で運転停止、物価高など考慮
「米子バイオマス発電所」(鳥取県米子市)について、運営会社は6日、発電事業を廃止すると市や地元住民代表に伝えた。2023年9月に爆発を伴う火災が発生したため、運転を停止していた。再開を目指したが、燃料費高騰や物価高などを考慮し、事業継続は困難と判断。年内にも発電事業の廃止届を国に提出する方針だ。
発電所は和田浜工業団地に立地し、中部電力や東急不動産など5社でつくる「米子バイオマス発電合同会社」が運営する。木質ペレットとパームヤシの搾り殻を燃やして発電し、出力は5万4500キロワット。税収や雇用が見込めるとして、市や県も周辺整備などの支援をした。
22年4月に商業運転を開始したが、23年5、7月に燃料タンクなどで火災が発生。さらに同年9月に爆発を伴う火災が起きたことから、市は「周辺住民に大きな不安を与えている」として運転停止を要請した。
運営会社は、爆発事故後に事業の継続を検討したものの断念。現在は廃止に向けて、機器類のさび防止作業を中止し、油脂や薬品類の抜き取り作業を進めているという。
運営会社は6日に発電所で地域協議会を開いて、廃止決定を地元住民の代表に示した。その後、報道陣の取材に応じた中部電力再生可能エネルギーカンパニーの大橋英二課長は「爆発事故を起こし、地域住民には深くおわびする。事業継続を検討してきたが、採算、事業性確保の見通しが立たない」と説明した。
発電所の周辺では、騒音被害を訴える声が住民から上がっていた。稼働期間がわずか1年あまりでの廃止決定について、地域協議会の会長を務める吉岡元さん(82)は「良かった。地域住民も納得してくれるはず」と安堵(あんど)の表情で話した。
バイオマス発電を巡っては、北海道や愛知県、山口県など各地で火災が発生している。【渕脇直樹】
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