「日本はコメに700%関税」 米報道官が再び根拠示さず批判

2025/04/01 10:28 

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 ホワイトハウスのレビット米大統領報道官は3月31日、日本が米国から輸入するコメに「700%の関税を課している」と再び根拠を示さずに批判した。3月11日に同様の発言をして日本側の反発を招いたが、今回も日本が一定量のコメを無税で輸入する「ミニマムアクセス(最低輸入量)」の仕組みに言及せず、700%の税率根拠を示さなかった。

 レビット氏はホワイトハウスで記者団に対し、米国産品に関税を課す国々を念頭に「あまりにも長い間、わが国から金をむしり取り、米国の労働者をないがしろにしてきた」と指摘。トランプ政権が「不公正な貿易慣行」とみなす事例を列挙し、「日本は米国産のコメに700%の関税を課している」と名指しで批判した。

 レビット氏は、米政権が問題視する国と輸入品目、税率を示した1枚の紙をテレビカメラに提示。前回の「700%」発言後、日本政府から正しい現状について説明があったとみられるが、書かれている内容は前回発言時と同じだった。日本が「牛肉に39%」「牛乳に40%」の関税を課しているとの情報も、そのまま載せている。

 また、レビット氏は欧州連合(EU)は乳製品に50%、インドは農産物に100%、カナダはバターやチーズに300%近くの関税を課していると不満を表明。2日に発表予定の「相互関税」の意義を強調した。

 林芳正官房長官は3月12日の記者会見で、レビット氏の発言に対し「米政府関係者の発言の逐一にコメントすることは差し控えるが、いずれにせよ米側と意思疎通を図っていく」と述べていた。

 日本政府は輸入米を一定量まで関税ゼロで受け入れるミニマムアクセスの仕組みを設け、米国を含む各国から年77万トンを上限に買い取っている。この枠内であれば、米国産米の関税はゼロ。この枠を超える分には、1キロ当たり341円の従量税を課している。【ワシントン大久保渉】

毎日新聞

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