フジ社長「成功体験にとらわれていた」 日枝氏体制の反省点問われ

2025/03/27 19:26 

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 フジテレビと親会社フジ・メディア・ホールディングス(HD)は27日、取締役会を開いた。元タレントの中居正広氏による女性とのトラブルに端を発する問題を受け、フジとフジHDの取締役相談役を務めた日枝久氏(87)が退任するなど経営陣を刷新。取締役会終了後、これまでの「反省点」を記者から問われたフジの清水賢治社長は「成功体験にとらわれ、イノベーションできなかった」と分析した。清水氏とフジHDの金光修社長との主な一問一答は以下の通り。【デジタル報道グループ】

 ――日枝さんが作り上げた体制下で、どんな点が反省だったのか。何を変えていかなければいけないと今思っているのか。

 ◆(清水氏) 2007年ですか、iPhoneが誕生したのは。ここから急にパーソナル化が始まり、通信環境の進化によって、インターネットで動画が見られるようになり、YouTubeが大きくなってきた。

 この変化の中で、長年やっているとどうしても同じことをやって、成功体験にとらわれやすいということはある。日枝がということよりも、フジテレビが80年代の躍進の歴史、これが成功体験となって、その後イノベーションのジレンマが起こってしまった。成功体験にこだわるあまり、新しいものに挑戦する、既存のものを壊して新しくする、既存のこの放送事業があまりにもうまくいっていたので、それを壊して配信事業に全面的に行くとか、そういうことをなかなかやりにくいわけです。

 ◆(金光氏) 私は日枝さんに言われたことで違うことは違う、そうじゃないものはそうじゃない、と比較的言ってきたほうです。

 それに対してちゃんと答えてくれるし、何か頭ごなしにこうしろというような指導の仕方をする人ではありませんから。長くやっていたことによる知識や経験、資本関係や系列局のことなど、やっぱり歴史を知ってますから。

 ただ、みんながみんな、自分の意思を貫いていけるかに関しては、人の性格にもよるし、自分の置かれている立場にもよるでしょうし。そこはだんだんだんだん言いにくくなる。人間にはおもんぱかる良いところがあります。やっぱり長くいると、おもんぱかる気持ちがより強くなるメカニズムが出来上がってしまうのかなというのはあります。

 わたしは、(日枝氏に)いろんな口答えをしたり、反論したりしたけれども、それで何か、良くなかったっていう思いは1個もないです。「みんなももっと言っとけばよかったね」っていう感じはありますけど。

毎日新聞

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