シャトレーゼに下請け法違反で勧告 発注した包装を不当に受け取らず

2025/03/27 15:30 

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 菓子の包装などの製造を委託する下請け業者の商品を不当に受け取らず、無償で管理させていたとして、公正取引委員会は27日、菓子製造販売の「シャトレーゼ」(甲府市)の下請け法(受領拒否の禁止、不当な経済上の利益の提供要請の禁止)違反を認定し、再発防止を求める勧告をした。認定された被害額は約2383万円に上り、今後算出される保管費用も含め、同社が補償する見通し。

 公取委によると、シャトレーゼは下請け業者11社に対し、菓子の包装などを発注したにもかかわらず、期日を過ぎても一部の商品を受け取らなかった。受け取りを拒否した商品の総額は、2024年12月30日時点で計約2383万円に上った。うち約1300万円分は、受取期日を1年以上過ぎていたという。

 また、公取委は遅くとも23年12月1日以降の受け取りの拒否により保管を余儀なくされた商品についても、シャトレーゼが下請け業者に保管費用を払わせた「不当な経済上の利益の提供要請」に当たるとしている。

 同社は下請け業者に菓子の包装などを一括で発注し、必要に応じて納品させていた。しかし、同社が受け取らない限り代金は発生せず、途中でデザインが変わった場合などは以降の受け取りを拒んだという。

 シャトレーゼは「一括で作らせた方が安くなり、下請け業者にとっても良いと考えていた」と釈明。一方、公取委の担当者は「下請け業者に作らせて、必要な時に納品させる運用は問題だ」と語った。

 同社の広報担当は「大変重く受け止めている。直ちに是正したい」とした上で、補償について「支払いの準備は完了している。関係先との協議を進める」としている。【山田豊】

毎日新聞

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