JR九州が中期経営計画 3年で2割増収目指す 値上げや事業拡大で

2025/03/27 15:15 

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 JR九州は、2027年度に5300億円の売上高を目指す中期経営計画を発表した。鉄道の運賃値上げに加え、都市開発や外食・小売りなどでの事業拡大により、3年間で20%の増収を目指す。デジタル技術の活用による鉄道事業のコスト削減も進める。

 25~27年度の中期経営計画を発表した。27年度の連結業績での目標値を、売上高は24年度(見込み)比20%増の5300億円、営業利益を同24%増の710億円とした。

 主力の鉄道事業は27年度の鉄道運輸収入の目標値を同16%増の1710億円と設定した。25年4月の運賃値上げで年間約160億円の増収を想定するのに加え、訪日客の増加や、台湾積体電路製造(TSMC)の熊本進出に伴う豊肥線の利用拡大を見込む。九州全体で人口減少が進む中、福岡市近郊の自治体との連携を進め、乗客の掘り起こしも図る。

 鉄道事業以外では、博多駅周辺や九州各地の都市開発に加え、九州外での物流施設やマンション開発にも注力する。企業の合併・吸収による経営多角化も進める。

 22~24年度の計画で580億円だった安全投資は、25~27年計画では700億円に増額し、鉄道の防災対策を進める。また、無線による列車制御の導入などで鉄道のコスト削減も図る。

 古宮洋二社長は「我々の事業は世界の皆様から愛されるようになった。九州の元気を世界に発信していきたい」と話した。【久野洋】

毎日新聞

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