ホンダが中国で新型EV生産開始 専用工場で狙う巻き返し

2025/03/26 18:09 

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 ホンダは26日、中国南部広東省広州市の電気自動車(EV)専用工場で新型EVの生産を始めた。中国市場では急速にEVの普及が進み、ガソリン車主体の日本メーカーは中国勢に押されている。専用工場でEVシフトを本格化させ、巻き返しを狙う。

 工場は現地合弁の広汽本田汽車が新設し、昨年12月から既存のEV生産を移管していた。今回、新ブランド「燁(イエ)シリーズ」のスポーツタイプ多目的車(SUV)「P7」の生産が始まり、本格的に稼働した。P7は来月に発売する。

 工場の年間生産能力は12万台。生産工程に人工知能(AI)やロボットを積極的に活用して工程の自動化を進めてコスト削減を図った。2027年までにEV計4車種を生産する計画だ。

 中国市場は政府の後押しもあり急速にEVの普及が進んでおり、比亜迪(BYD)などの中国勢が急成長している。ホンダの24年の販売台数は前年比30・9%減の85万台と落ち込んでおり、そのうちEVは約1万台にとどまる。

 ホンダのEV専用工場は昨年9月に稼働を始めた東風本田汽車の工場(湖北省武漢市)に続いて2カ所目。ホンダはEV専用工場の稼働でテコ入れを図る一方、中国全体の生産能力は年間149万台から120万台に減らしており、次世代技術への「選択と集中」を進める。

 ホンダの五十嵐雅行常務(中国本部長)は26日に工場で開かれた式典で「新工場はホンダが中国において電動化を推し進めるための重要な拠点となる」と強調した。【広州・松倉佑輔】

毎日新聞

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