熱いハートとクールさ備え、堅守のスペイン決勝へ サッカーW杯
◇サッカー・ワールドカップ(W杯)北中米3カ国大会・準決勝(14日・米ダラス競技場)
◇○スペイン2―0フランス●
スペインの守備は強気かつ勇気があった。
エムバペ(レアル・マドリード)をはじめ、「個」の能力の高いフランスの攻撃陣に対し、DFラインを高く保ち続けた。
一歩間違えれば、背後に空いた広大なスペースを一気に突かれるリスクが付きまとう。
だが、スペインは決して引かず、激しさと統率力を両立させ、効果的な寄せの連続でフランスのプレーの選択肢を狭めた。
象徴的だったのが後半35分過ぎ。センターサークル付近でトラップミスからボールを奪われ、DFラインの背後に空いたスペースに長いボールを送られた。そこにエムバペが猛然と突っ込んできた。
これに対し、スペインのGKシモン(ビルバオ)はペナルティーエリアを大きく飛び出して頭でクリアする。それをドゥエ(パリ・サンジェルマン)に拾われ、一呼吸おいてシュートを打たれたが、シモンは懸命に戻って体に当てて食い止めた。
フランスに、切れるカードがないと感じさせた場面だった。
攻撃では前後半に1点ずつ奪って勝利した。
試合後、お立ち台で真っ先にインタビューを受けたのは守備の選手たちだった。
その一人、CBを担う19歳のクバルシ(バルセロナ)はこう言い切った。
「サッカーの世界で最も重要なことの一つは、無失点で守ることだ」
スペインは今大会、7試合でわずか1失点。公式戦では37戦無敗とした。伝統とするパスワークで高いボール保持率を保ちつつ、熱いハートと冷静な頭脳を感じさせる守備力の高さを両立させている。
スペインは「無敵艦隊」の異名を持つ。右サイドバックとして守備を支え、攻撃では味方との連係からチーム2点目を挙げたポロ(トットナム)は試合後、「今の君たちは無敵のような気分なのでは」と聞かれると、「いや、ただひたすら謙虚にやるべきことをやり続けるだけです」と応えた。
高揚した様子ながら、やはり頭はクールだった。【ダラス高野裕士】
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