<football life>開催都市で聞いた冷めた声「私には縁がない」 サッカーW杯
サッカー・ワールドカップ(W杯)北中米3カ国大会はチケットが高騰し、現地ではW杯への冷めた声が聞かれた。
「W杯は、私には縁のないことね」
米テキサス州ヒューストンで6月29日(日本時間30日)、日本がブラジルに敗れた決勝トーナメント1回戦を取材後にスタジアムからタクシーに乗ると、50代の女性運転手は苦笑まじりに語った。
7万人近い観客が集まったが、この試合のカードは記者と話すまで知らなかったという。
「あんなにチケットが高いのに買えるなんて、あなたお金持ちね。あの値段で、お客さんはちゃんと入っていたの?」
苦労しながら5人の子供を育て、孫もいるという女性。当初は観戦したいと思っていたが「とてもあの値段では手が出ない」と話し、W杯と距離を置いていた様子だ。
国際サッカー連盟(FIFA)は今大会、需給に応じてチケット価格を変動させる「ダイナミックプライシング」を導入。転売も認めたことで高騰に拍車がかかった。
価格動向をまとめる「チケットデータ」によると、日本―ブラジルの最低価格は777ドル(約12万6000円)。これでも試合前の3日間で48%値下がりしたという。
7月19日(日本時間20日)の決勝は9日午後(米東部時間)時点で、最低価格でも8500ドル(約138万円)となっている。
1枚約230万ドル(約3億6800万円)で販売されていたとの報道もあったが、FIFAのインファンティノ会長は価格設定を正当化する発言をしている。
各開催都市を回ると、信号待ちする車に近寄って金銭や食べ物を求める人の姿もおり、きらびやかなスタジアム周辺とは対照的だった。
FIFAは「サッカーは世界を一つにする」を理念に掲げるが、拝金主義の姿勢に批判はやまない。大会のお膝元ですら一つになっていない光景があった。【高野裕士】
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