「正義は破られない」ベルギー、混乱越え米国破る サッカーW杯
◇サッカー・ワールドカップ(W杯)北中米3カ国大会決勝トーナメント2回戦(6日・シアトル競技場)
◇○ベルギー4―1米国●
圧倒的な声量の「U・S・A」のコールに、試合前のピッチ外の混乱を加味すれば、スタジアムは何が起きてもおかしくない雰囲気に包まれていた。そんな逆境の中で、ベルギーはしたたかに米国の弱点を突いた。
1―1で迎えた前半33分。ベルギーは大きなサイドチェンジで左に展開すると、トロサール(アーセナル)が中央へクロス。FWデケテラーレ(アタランタ)が頭で合わせ、勝ち越し点を奪った。約6万7000人が詰めかけたスタジアムは、2分前の米国の同点弾による熱狂がうそのように、静かになった。
ベルギーのガルシア監督の思い切った采配が功を奏した。チームの大黒柱で今大会全4試合に先発出場のデブルイネ(ナポリ)に代え、中盤に汗かき役のラスカン(レンジャーズ)を起用。前半9分のデケテラーレの先制点は、左サイドでラスカンがこぼれ球を拾ってからのアシストだった。「彼らの左サイドを突けば、ダメージを与えられると分かっていた。プランはうまく機能した」とガルシア監督はしたり顔だ。
試合前にはサッカー界を揺るがす混乱に巻き込まれていた。
前の試合で退場となり、今試合は出場停止だったはずの米国のエースFW・バログン(モナコ)が急きょ、処分が猶予となり、先発出場した。その裏にはトランプ米大統領の介入もあったとされる中で、選手は冷静にその一報を受け止めた。
ラスカンはバログンを巡る騒動について「人生において正義が破られることはないという原則がある。特殊なことをしようとする時にそれはいつか自分に返ってくるものだ」と語った上で「僕たちにとってフェアとは思わなかった。それが僕たちに少しの幸運をもたらしてくれた。試合に勝つために必要だった」と振り返った。
次戦の相手は欧州のライバルで優勝候補のスペイン。「まだ何も成し遂げていない。偉大なサッカー大国に対し、自分たちがベストを尽くさなければ」とデケテラーレ。困難を乗り越え、結束は高まるばかりだ。【シアトル生野貴紀】
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