「人を大切に」今西和男さん死去 J1広島会長らから惜しむ声
広島市出身でサッカーJ1・サンフレッチェ広島の初代総監督を務め、育成型クラブの礎を築いた今西和男さん(85)が16日亡くなり、関係者からは惜しむ声が上がった。
今西さんは4歳の時に広島市内で被爆。市立舟入高でサッカーを始め、東洋工業(現マツダ)に入社してチームの黄金期を支えた。
舟入高と前身の市立第一高等女学校(市女)の同窓会長を務める市本秀則さん(66)によると、今西さんは1985年から同窓会長を務め、生徒と教師676人が犠牲になった市女の原爆死没者慰霊式典を続けるために尽力していたという。「昨年まで欠かさず参列された今西さんの遺志を今年からの式典でも受け継いでいきたい」と話す。
サンフレッチェ広島の塩崎浩作・普及部ダイレクター(55)は大学卒業後、指導者を目指していた時期にチームの総監督だった今西さんに出会い、被爆体験や後遺症を克服するために努力したことなどを聞いた。さらに、「分け隔てなく人と付き合いなさい」、「サッカー選手や指導者である前に一人の人間として人を大切にしなさい」という言葉を何度も投げかけられたという。
「人の人生を最後まで考えてくれる心の器の広い人だった。今西さんの魅力に多くの人がひかれ、志を引き継いでいきたい」と塩崎さんは言う。
今西さんはクラブの育成組織の重要性を強調し、広島県福山市や島根県出雲市などで少年クラブの立ち上げに関わった。サンフレッチェ広島の久保允誉会長は「今西さんを一言で表すなら『教育者』だった。才能を見いだし、愛情を持って育て上げる。その揺るぎない情熱がDNAとして深く刻まれている」とし、「深い悲しみと喪失感に堪えない」と別れを惜しんだ。
広島商工会議所の松藤研介会頭は「郷土の誇りを育んだ情熱に深く感謝する。地域社会に夢と活気を与えてくださった多大なる功績に深く敬意を表します」とコメントした。【関東晋慈】
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