「胸が張り裂けそう…」 女子3選手が見た男子フリー ミラノ五輪
ミラノ・コルティナ冬季オリンピックは第9日の14日、女子シングルに向けた公式練習が行われ、2022年北京五輪銅メダルの坂本花織選手(シスメックス)、いずれも初出場で昨季の世界選手権銅メダルの千葉百音選手(木下グループ)、17歳で初の五輪に挑む中井亜美選手(TOKIOインカラミ)が調整した。
3人は前日に行われた男子フリーを会場のミラノ・アイススケートアリーナで観戦した。仲間にエールを送りながら、それぞれの視点で「五輪」を見ていた。【ミラノ玉井滉大】
◇今回は「魔物がいない」と思っていたが…
坂本選手は「本当に熱い戦いだった。皆が必死に頑張って戦っている姿を見て、いよいよ自分の出番が近づいてきたなっていう感覚になってきた」と気持ちを高めた。
銀メダルを獲得した鍵山優真選手(オリエンタルバイオ・中京大)、銅メダルの佐藤駿選手(エームサービス・明大)を坂本選手が涙で出迎えるシーンは話題を呼んだ。
「底力を見せた2人が表彰台に乗って。本当に、団体戦からよく頑張ったなっていう思いで見てました」と感慨深げに語った。
一方で、「思いもよらないミスもかなり出てしまっていたので。見ている側としては結構、驚きの最終グループだった」と話す。
世界王者のイリア・マリニン選手(米国)が8位に終わるなどの波乱も目の当たりにし、「自分にこれが起きたらメンタルもたんな、と思って。自分のことかのようにめちゃくちゃ緊張したし、すごく胸が張り裂けそうというか。結構『苦しい』って思いながら見てました。団体戦の時はみんなの演技を見て『今回のオリンピックは魔物がいないな』って思っていたんですけど、ちょっと、結構ビビってはいます」と気を引き締めた。
千葉選手は熱戦を楽しみつつ、自らがリンクに立っている姿を思い浮かべていた。
「(三浦)佳生君の演技から観戦していましたが、もう手に汗握って。自分がこのリンクに立っていたら、こういう緊張をするだろうなとか。こういう気持ちだったら、こう落ち着かせてできるかなっていうのをイメージしながら見ていました。ドキドキハラハラもしたけど、一方で冷静に見てる自分もいて。すごく勉強になりました」と話す。
すさまじいほどの会場の熱気を肌で感じ、ショートプログラム(SP)の「ラストダンス」は「自分がどんな演技をしようが、この曲は間違いなく盛り上がるなっていうのが分かった」とニヤリ。「それなら、もうそれに乗っていく勢いで。自分のエンジンをしっかりふかせられるように」とイメージを膨らませた。
昨日、選手村入りした中井選手は「すごく熱い戦いを見させていただいて。緊張感も少しずつ出てきたかなと思っています」と語った。
日本でテレビ観戦した団体戦は自分のことのように緊張し、正座で応援したという。生観戦では、また違った五輪の雰囲気や選手の気迫も間近で感じ取った。「見て学んだことを、今回のオリンピックでしっかり生かせるようにしていきたい」と話す。
応援の際には大会マスコットキャラクターの「ティナ」に会ったといい、「花織ちゃんたちとめっちゃ騒いだのがすごく楽しかったです」と無邪気な笑顔を見せた。
女子は17日にSP、19日にフリーが予定されている。いよいよ始まる競技に向け、モチベーションを高めるにはこれ以上ない機会になった。
坂本選手は団体の表彰台に起因する靴のブレード(刃)のトラブルに巻き込まれたが、「日下(匡力=くさか・ただお)先生に研磨してもらって、めちゃくちゃマシになって。数年前にも何回か研磨をしてもらったことがあったので、全然、大丈夫です」と語った。
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