グラウンド周辺にサトウキビ畑、豆乳で…沖縄尚学とは? 夏の甲子園

2025/08/23 08:00 

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 全国高校野球選手権大会は最終日の23日、阪神甲子園球場で決勝が行われる。日大三(西東京)と対戦する沖縄尚学は、夏の初優勝が懸かる。

 ◇校訓は「怖れず 侮らず 気負わず」

 沖縄尚学は1999年春に沖縄勢初の甲子園大会優勝を成し遂げた私立の共学校。57年に開校した沖縄高が前身。野球部もこの年に創部された。沖縄高時代の出身者には、米国統治下の沖縄からプロ野球選手となり、投手としてプロ通算119勝を挙げた安仁屋宗八さん(81)がいる。

 83年から現在の校名になった。

 学校は那覇市内にあり、観光名所の国際通りや首里城からも車でほど近い。

 付属中も併設し、文武両道に力を入れている。グローバル人材の育成を掲げ、沖縄伝統空手(型のみ)や異文化体験の機会を提供している。

 勉強にも力を入れる。学校のホームページには進学実績として医学科や海外を含む著名な大学の名前が並ぶ。柔道部、テニス部なども強豪で「文武両道のたくましい進学校」を目指している。

 野球部のグラウンドは「尚学ボールパーク」と呼ばれ、那覇市の南東の八重瀬町にある。周辺にはサトウキビ畑などがあり、のどかな景色が広がる。

 野球部員は授業を終えてグラウンドに移動する。練習後は地元の豆腐店が提供する豆乳を飲み、栄養を補給して体作りに生かす。

 部員は約70人。ベンチ入り20人のうち、ほとんどが沖縄県内出身だ。エース左腕の末吉良丞(りょうすけ)投手(2年)や、準決勝で適時打を放った比嘉大登選手(3年)ら自宅から通う生徒も多い。

 比嘉公也監督(44)は社会科教諭で、99年春の選抜大会優勝時のエース左腕。2006年から母校の監督を務め、08年に2回目の春の頂点に立った。飾らない人柄で親しまれている。

 責任教師としてベンチ入りする伊志嶺大吾さん(41)も沖縄尚学の卒業生で、保健体育科教諭。07年に副部長、25年から部長を務め、比嘉監督を長く支えてきた。プロ野球・ロッテの伊志嶺翔大・1軍外野守備兼走塁コーチの兄でもある。

 沖縄尚学はこれまでの夏の最高成績だった8強を上回り、11回目の出場で初めて決勝に進出した。

 沖縄尚学の校訓は「怖(おそ)れず 侮らず 気負わず」。

 主な卒業生にプロ野球・ソフトバンクの東浜巨(なお)投手、嶺井博希選手らがいる。【石川裕士、荻野公一】

毎日新聞

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