今年の米国野球殿堂入り表彰者が２１日（日本時間２２日）発表され、米大リーグ通算３０８９安打をマークしたイチローさん（５１）＝本名・鈴木一朗、マリナーズ会長付特別補佐兼インストラクター＝が、日本人で初めて選出された。

　イチローさんは１６日に日本でも殿堂入りしたばかりで、日米双方の殿堂入りは史上初めて。ともに候補１年目で両球界最高の栄誉を手にした。アジア人としても初の快挙となった。

　米野球殿堂入り発表の中継に登場したイチローさんは「２００１年に（大リーグでの）挑戦が始まったが、当時、この今日、発表の場にいられることは全く想像できませんでした。ＭＬＢ（大リーグ）でプレーできるかどうかすら議論がありました。僕としてもそうですし、日本人初ということで大変に光栄です」と喜びを語った。

　イチローさんは愛知県出身。愛工大名電高からドラフト４位で１９９２年にオリックス入り。登録名を「イチロー」に改めた９４年にプロ野球初のシーズン２００安打を達成し、この年から７年連続で首位打者となった。

　２０００年オフに大リーグのマリナーズへ移籍。０１年に首位打者と盗塁王のタイトルを獲得し、最優秀選手（ＭＶＰ）と新人王に輝いた。０４年にはシーズン２６２安打を放ち、大リーグの年間最多安打記録を８４年ぶりに塗り替えた。

　他球団を渡り歩いた後、１８年にマリナーズに復帰。１９年３月に東京ドームで開催された大リーグ公式戦を最後に引退した。日米通算は４３６７安打。０６、０９年のワールド・ベースボール・クラシック（ＷＢＣ）では、日本代表として連覇に貢献した。

　殿堂入りは大リーグで１０年以上プレーし、引退から５年が経過した選手を対象とする。全米野球記者協会に１０年以上在籍する記者による投票で７５％以上の得票が必要となる。イチローさんの大リーグ通算成績は２６５３試合で打率３割１分１厘、１１７本塁打、７８０打点、５０９盗塁。【岸本悠】