火星衛星探査機「MMX」打ち上げ成功 世界初の試料持ち帰りへ

2026/10/20 05:28 

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 宇宙航空研究開発機構(JAXA)は20日午前4時40分ごろ、火星衛星探査機「MMX」を、鹿児島県の種子島宇宙センターからH3ロケット10号機で打ち上げた。火星の衛星「フォボス」から砂や細かな石などを採取し、地球に持ち帰る計画だ。成功すれば、火星本体も含めた「火星圏」から試料を地球に持ち帰る世界初の快挙となる。

 打ち上げから約1時間10分後、第2段ロケットから切り離し、火星に向かう軌道への投入に成功した。火星付近には来年8月ごろに到着する。

 探査は5年間の計画。2029年ごろにフォボスに着陸して10グラム以上の砂などの試料を採取し、31年度に試料が入ったカプセルを地球に帰還させる。

 フォボスは、火星から約6000キロ離れた地点を周回する「火星の月」。直径23キロのジャガイモのような形をしている。本格的な探査の実績はなく、「太陽系で最も重要な未踏峰」(JAXA)とされる。

 試料を地球に持ち帰り、詳細に分析することで、フォボスや火星の成り立ちを明らかにする。その上で、地球型惑星に生命が存在できるようになった理由に迫る。火星の有人探査を見据え、火星衛星を拠点として利用できるか否かも調べる。

 探査機の総開発費は553億円。三菱電機が担当した。高さ5・3メートル、幅9メートルで、総重量は4480キロに達する。「往路」「探査」「復路」の3部分で構成し、役割を終えた部分を切り離して、「復路」部分だけで帰還する。H3で最も打ち上げ能力の高い、補助ロケットブースターを4本装着する形態で打ち上げた。

 日本が主導する月や惑星探査の中で、最大の国際共同ミッションとなる。13の機器を搭載し、四つは海外からの提供を受けた。探査機に先んじてフォボスに着陸する探査車は、ドイツとフランスの宇宙機関が開発し、米航空宇宙局(NASA)と欧州宇宙機関(ESA)も分光計や通信機を提供した。

 火星をめぐっては探査や有人探査に向けた国際競争が進む。火星圏からの試料持ち帰りに成功した例はないが、中国も31年ごろに火星本体からの実現を目指し、28年ごろに探査機を打ち上げる計画。MMXが世界初の偉業を達成できるかが焦点となる。【木許はるみ、菅沼舞】

毎日新聞

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