「国保逃れ」指導で1万1610人が被保険者資格を喪失 厚労省

2026/09/14 20:04 

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

 個人事業主らが一般社団法人の役員などになることで高額な国民健康保険料の支払いを免れる「国保逃れ」を巡り、厚生労働省は14日、国保逃れが疑われる法人を調査し、勤務の実態がなかったとして1万1610人が被保険者資格を喪失させたと発表した。

 個人事業主らは一般的に国民健康保険や国民年金に加入する。しかし、形式的に法人の役員などに就任すれば、健康保険(健保)や厚生年金に加入し、保険料は法人と折半することになる。保険料算出の根拠となる法人からの給与を低く設定すれば保険料を低くできるため、会費を徴収した上で、役員の肩書を与える「社会保険料削減ビジネス」の存在も指摘されている。今年には日本維新の会が国保逃れに関与したとして、元職を含む複数の所属地方議員を除名処分にするなど、問題視されていた。

 これらを受け、日本年金機構は8月までに社会保険料削減ビジネスが疑われる45法人を調べ、そのうち38法人で国保逃れがあったとして、形式的に雇用していた全員の被保険者資格を喪失させた。資格を喪失させた人にはさかのぼって本来支払うべき保険料の支払いを求める。

 厚労省によると、役員に就任させる以外にも、個人事業主を勤務時間が極端に短い正規の従業員として雇用している事例も判明。日本年金機構などに使用関係の実態がない従業員への社会保険の適用は認められないとの通知を出した。

 厚労省は「今後も不適正な事案を把握した際には速やかに調査の上、必要な指導を行うなど、厳正に対処していく」としている。【寺原多恵子】

毎日新聞

社会

社会一覧>

注目の情報