「こんな大雨初めて」 石川、富山の20河川で氾濫、土砂崩れも

2026/08/28 07:15 

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 こんな大雨は初めての経験――。27日にレベル5大雨特別警報が出された石川、富山両県では、20河川で氾濫が確認され、床上、床下浸水する住宅が相次いだ。道路もあちこちで冠水し、水没したり立ち往生したりする車が続出。土砂崩れも発生し、複数の集落が孤立したほか、両県の21市町が避難所を開設した。同日夕までに人的被害は報告されていないが、両県や各自治体が災害対策本部を設置し対応に追われた。28日も大雨が予想されており、引き続き警戒が必要だ。

 ◇12時間雨量、観測史上最大も

 レベル5大雨特別警報が発令されたのは、石川県羽咋市、宝達志水町、志賀町、中能登町と富山県氷見市。北陸地方での大雨特別警報は2024年9月の能登豪雨以来2回目。

 気象庁によると、27日午前9時までの12時間雨量は、石川県羽咋市で317・5ミリ、富山県氷見市で317ミリを記録。いずれも観測史上最大で、ともに8月の平年値の約1・7倍の雨が短時間に集中して降った。石川県南部の小松市でも1時間雨量が観測史上最大となる66・5ミリ、福井県坂井市でも8月の観測史上最大となる48ミリをそれぞれ記録した。

 交通機関にも大きな影響が出た。

 鉄道は、JR七尾線の津幡―七尾間や、IRいしかわ鉄道の大聖寺―倶利伽羅(くりから)間、あいの風とやま鉄道の金沢―福岡間でいずれも終日運行を見合わせた。小松空港では羽田便など計14便が欠航となった。国道8号は石川と富山の県境で、国道159号も羽咋市内で通行止めになった。

 石川県の山野之義知事は記者会見で「市町、関係機関から出される情報を把握し、身の安全を第一に行動してほしい」と県民に呼びかけた。富山県の新田八朗知事も、氷見市で4集落が孤立状態にあるとし、「人命最優先で対応している」と述べた。

 気象庁によると、28日午後6時までの24時間で、富山が180ミリ、石川が150ミリ、福井が120ミリの雨が予想されており、警戒を呼びかけている。

 ◇あっという間に水があふれ…

 能登南部ではあちこちで川が氾濫し、住宅街や道路、田畑に流れ込んだ。

 石川県羽咋市の飯山川近くの新聞販売店主、竹屋政利さん(50)は27日午前3時ごろ、川にかかる橋から水があっという間にあふれるのを見て身の危険を感じ、急いで自宅兼店舗に戻った。だが、濁流が勢いよく流れ込み、床上まで浸水したという。竹屋さんは「こんな大雨の経験は初めて。これから、どのように新聞を配達したらいいのか、途方に暮れている」と肩を落とした。

 同市の酒井川近くで水稲を栽培する男性(76)は「昼前に酒井川から水があふれた。まだ一部しか稲刈りが終わっていない。このまま稲穂がつからなければいいが」と心配そうに田んぼをみつめた。【中尾卓英、衛藤達生、浜名晋一、鈴木鈴美香】

毎日新聞

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