トクリュウ指示役のスマホ通信内容把握へ 警察庁が法整備検討

2026/08/06 10:09 

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 警察庁は6日、匿名・流動型犯罪グループ(トクリュウ=匿流)による事件を防止するため、匿流の通信内容を把握する手法を検討すると明らかにした。警察が指示役のスマホを特定し、その通信内容を遠隔で取得することを想定しており、有識者会議で法整備に向けた議論を進める。

 匿流は「シグナル」や「テレグラム」といった通信アプリを特殊詐欺などの犯罪に悪用するが、通信内容は暗号化されている。一定期間が経過すると端末から消える設定も可能で、「匿名性」が捜査上の課題となっている。

 匿流による特殊詐欺などの事件では、警察が現金を被害者から受け取る「受け子」や現金を引き出す「出し子」など末端の人物のスマホを解析しても、犯行計画の一部しか共有されておらず、指示役ら上位者への突き上げ捜査を難しくしている。

 一方で、指示役は実行役が摘発されれば、別の人物を補充して犯行を継続するほか、詐欺や強盗の標的の情報を流す「案件屋」にも接触しているとみられる。事件の続発を防ぐため、警察庁は「指示役らの端末でやり取りされる、次の計画や標的の解明が不可欠だ」と強調する。

 こうした状況を踏まえ、警察がまだ摘発できていない指示役のスマホから情報を得る方法を検討する。警察は、現行制度でも容疑者のメールや発着信履歴といった通信内容を裁判所の令状を取った上で入手している。警察幹部は「犯人とみられる人物の通信内容は現行法でも取得できるが、匿流が使う通信アプリを介すると暗号化されるため技術的に解読が困難になる。情報を得るための別の方法を検討し、法的に位置づける必要がある」と説明する。

 諸外国では、捜査用のソフトウエアを合法的に犯人側の端末に忍び込ませ、通信内容や位置情報などを把握する手法が導入されている。有識者会議では、こうした事例も念頭に、実効性やその適正性の議論を求める。通信の秘密にもかかわるため、匿流事件に対象を絞るかや裁判所の令状を取って実施するかなども検討事項となる。

 有識者会議は、刑事法や刑事政策の専門家や弁護士の9人で構成。10日に初会合を開き、秋までに報告書のとりまとめを目指す。

 政府の犯罪対策閣僚会議は7月28日、匿流が特殊詐欺や凶悪事件に通信アプリを悪用していることから「通信内容の迅速な把握について検討を加速する」との緊急対策をまとめていた。【深津誠】

毎日新聞

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