「この生活いつまで」 酷暑に加えて断水や停電 自宅避難の苦悩

2026/07/30 20:19 

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 熊本県は30日も厳しい暑さに見舞われた。約1万人が避難所に身を寄せ、熱中症や体調の悪化に不安を募らせている。自宅で過ごす人は断水や停電に苦しむ。どうすれば、避難生活での関連死を防げるのか。10年前とは異なる真夏の大地震に、自治体職員は対応を模索しながら避難所運営などにあたっている。

 ◇「家の方がいい」、それでも募る不安

 避難所ではなく、住み慣れた自宅で過ごす被災者も多い。ただ、ライフラインの停止という困難に直面し、今後起きるかもしれない地震への心配もある。

 最大震度7を観測した熊本県氷川町の自宅で避難生活を送る男性(67)は、自宅の中で涼しい場所を探して移動しているという。「大きな揺れも心配。だけど、一定の備蓄はあるので家の方がいい」と語る。

 自宅は28日の地震から断水と停電が続き、エアコンは使えない。10年前の熊本地震の教訓として、2リットル入りのペットボトル20本を備蓄していた。「車中泊はガソリンがもったいないし、避難所生活は考えられない。不安のまま、いつまで過ごすのか」と頭を抱えた。

 ◇避難所を選べない人も

 熊本県内では30日午後3時時点で約1万9000戸が停電している。断水は午後2時時点で約8万戸に上る。ライフラインの停止は深刻でも、避難所生活に尻込みする人は少なくない。

 宇城市豊野町のトラック運転手、小田穣さん(62)もその一人。「知らない人が多い避難所よりも、自宅の方が体も心もやすまる」と語る。

 自宅は大半の瓦が落ちて窓は壊れたが、母親(84)と飼い犬と過ごしている。「10年前のように2度目の大きな揺れも怖いけど、すぐ外に飛び出せるはず」と語る。ただ、「この生活がいつまで続くのだろう……」と表情を曇らせた。

 宇城市の自営業の女性(57)は、市内にペット同伴で避難できる避難所がないため、愛犬と夫と車中泊を続けている。日中は2台ある自家用車のうち1台で過ごし、夜間はガソリンの節約のため冷房は付けたり消したりしている。

 営業している店を見つけて食料を購入しているが、棚に残る商品は限られ、十分には食べられていないという。自治体による支援物資はあるものの、連日行列ができている。女性は「暑さの中、待つだけで体力が奪われる」と考え、列に並んでいない。

 ◇クーリングシェルター活用を

 30日の宇城市の最高気温は34・3度。熊本県周辺は高気圧に覆われ、8月1日以降は最高気温が40度に迫る予報となっている。

 こうした状況を受け、環境省は、暑さを一時的に避けられる「指定暑熱避難施設(クーリングシェルター)」の開放を市町村に促すよう求める通知を出した。

 クーリングシェルターは、冷房設備の整った公民館や図書館、ドラッグストアやコンビニエンスストアなど。緊急時に暑さをしのぐため、市町村があらかじめ指定する仕組み。熊本県内では約560カ所指定されている。【日向米華、田崎春菜、野呂賢治、高橋由衣】

毎日新聞

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