エアコン求めて車中泊 10年前「春」でさえ問題の熱中症に懸念

2026/07/30 19:04 

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 熊本県は30日も厳しい暑さに見舞われた。約1万人が避難所に身を寄せ、熱中症や体調の悪化に不安を募らせている。自宅で過ごす人は断水や停電に苦しむ。どうすれば、避難生活での関連死を防げるのか。10年前とは異なる真夏の大地震に、自治体職員は対応を模索しながら避難所運営などにあたっている。

 ◇バッテリー上がりも

 被災者を支援している一般社団法人「minori」(熊本市)の高木聡史さん(58)は、熱中症への危機感を募らせている。

 対策としてまず、取り付け工事が不要の「スポットクーラー」を避難所や住宅に設置するよう求めた。首に巻くネッククーラーや携帯扇風機などの冷却グッズ、水や塩分補給のあめの支給も必要だと訴えた。

 高木さんは、2016年4月の熊本地震で長期にわたり、被災者を支援した。今回も29日夜、八代市や氷川町で車中泊をしている人に熱中症に注意するよう声をかけて回った。氷川町では停電が深刻で、エアコン目当てで車中泊を選択した人が多かったという。

 高木さんは10年前の熊本地震の時、長時間のアイドリング状態による「バッテリー上がり」でエアコンが使えなくなり、窓から差し込む直射日光で体力を奪われてぐったりしている人を見た。「当時は春でも熱中症が問題になったのに、今回は真夏。とても心配だ」

 ◇被害小さくても、水や暑さで…

 熊本市の介護施設「よもぎ松の実苑」の事務長、松崎景子さん(73)は「とにかく飲料水を支給してほしい」と求める。施設の水道水は濁り、炊事には使えなくなった。職員が買い出しに行くが、店側の個数制限のため1人につき1~2本しか購入できず、入所する約40人分をまかなえないという。

 10年前の熊本地震では、直接死が50人だったのに対し、県内の災害関連死は225人に上った。

 災害関連死の多くは高齢者だ。死因は気管支炎や肺炎、心不全や脳卒中などさまざまだが、避難生活での心と体への負担が影響したとみられている。栄養や睡眠の不足、災害のショックや、周囲に気をつかって疲れたといった内容だ。

 持病の悪化や、インフルエンザに感染した例もある。長時間動かないことによる「エコノミークラス症候群」のリスクもある。

 熱中症を防ぐためには、できるだけ涼しい場所で過ごし、水分や塩分を補給するよう専門家は呼びかける。トイレの回数を減らそうとして水分を控えるのではなく、喉が渇く前に、意識的に水分を補給することが大切。エアコンがない場所では、扇風機の使用や換気が重要としている。【山田豊】

毎日新聞

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