国旗損壊罪は「不自由のシンボル」に 歴史研究者らが問題提起

2026/07/11 20:52 

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

 国会審議中の日本国旗損壊罪法案を巡り、歴史研究や歴史教育に携わる人たちが11日、「『国旗損壊罪』はなぜ問題なのか」と題したシンポジウムをウェブ上で開催した。パネリストらは近現代の日本における国旗の扱われ方を紹介し、「国旗へ抱くイメージは人それぞれ。損壊罪が制定された瞬間から、思想、信条の不自由のシンボルとなる」などと訴えた。

 日本現代史が専門の本庄十喜(とき)・北海道教育大准教授は、戦前の教科書に描かれた国旗を紹介。「日の丸は軍国主義のシンボルに使われた歴史があり、国旗に敬意を持たない人びとの存在につながっている」と解説した。

 加藤圭木・一橋大大学院教授(朝鮮近現代史)は、植民地の人々が日本への抵抗として国旗を扱った経緯から「損壊罪は国家の暴力に抵抗する者を抑えつけるものだ」と訴えた。

 この他、日の丸を国旗、君が代を国歌と定めた国旗・国歌法の1999年の成立から続く、教育現場や社会の変化について「市民社会と国家が同一視される傾向があり、危惧している」などの声が上がった。

 シンポジウムは日本歴史学協会や、市民団体「子どもと教科書全国ネット21」(東京)など6団体が開催。全国から約300人(主催者発表)が参加した。事務局を務めた小嶋茂稔・歴史学研究会委員長は「呼びかけは1週間程度だったが、多くの市民に危機感があると分かった」と話した。【荒木涼子】

毎日新聞

社会

社会一覧>

注目の情報