想定死者3300人 福岡県、海域活断層地震の被害想定を初公表

2026/06/22 11:03 

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 能登半島地震の震源域とされ、防災対策の重要性が一躍注目されることとなった「海域活断層」。国は地震発生確率などの評価を順次公表しているが、福岡県は22日、その一つである九州北方沖の海域活断層を震源とする地震の被害想定を初めて公表した。陸域の活断層と連動して最大震度7を観測した場合、関連死を含めた県内死者数は3300人に及ぶとされ、過去に試算した陸域活断層のみの地震よりも被害が増大。避難者数は最大36万9000人に上る見通しで、対策強化が急務となった。

 海域活断層は日本海にも複数あるとされるが、海底などで直接見ることが難しく、音波探査が必要になるなど調査に時間がかかる。政府の地震調査研究推進本部(地震本部)は2022年3月、まず九州・中国地方の危険な海域活断層について長期評価を公表。一方、24年の能登半島地震は海底の活断層の一つが震源となったが、このエリアの長期評価は当時未発表で、石川県も海底の活断層が起こす地震被害を想定していなかった。この教訓から地震本部は海域活断層の長期評価の公表を急いでおり、自治体側も被害想定の準備を進めている。

 福岡県は、日本海側の県近海に位置する「小呂島(おろのしま)近海断層帯」を震源(震源の深さ約10キロ、地震の規模を示すマグニチュード8・1)と想定し試算した。この断層帯は、福岡市中心部を縦断する「警固(けご)断層帯」に連なるように延び、地震本部の長期評価も「警固断層帯と近接し、一連の活断層帯である可能性を否定できない」と指摘。警固断層帯は福岡沖玄界地震(05年)を引き起こした断層帯で、県は海域断層帯と連動する最悪に近いシナリオを想定した。

 その結果、25年10月に県が公表した警固断層帯のみを震源とする地震の被害想定と比べ、震度7の観測地点は9市町から12市町に拡大。全壊・全焼棟数は9000棟増の4万5000棟▽関連死を含む死者数は700人増の3300人▽避難者数は5万人増の36万9000人――といずれも被害が増大した。能登半島地震では海底の活断層により津波が発生したが、福岡県が公表した被害想定に津波の影響は含まれておらず、被害規模は更に膨らむ恐れがある。

 県の担当者は「能登半島地震を受けて、24年度に海域活断層の予備調査に着手した」と説明。想定結果は26年度内に地域防災計画や備蓄基本計画に反映し、市町村の防災対策に生かす。県民に向けては家具の固定や、食料や携帯トイレといった備蓄の見直しなど対策を呼びかけた。

 海域活断層を巡っては、地震本部が九州・中国エリアに続いて24年8月、能登半島沖を含む兵庫県から新潟県上越沖の日本海についても長期評価を出したが、それより東の海域は未公表のままだ。九州エリアの海域活断層については、長崎県も被害想定に向けて調査を進めているとしている。。【宗岡敬介】

毎日新聞

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