台風、14年ぶり「6月上陸」 専門家「梅雨前線強化」に警戒
九州南部や四国が梅雨入りした中、南の海上から早くも日本列島へ近づいて来た「6月の台風」。気象庁によると、1951年の統計開始以降、6月に日本に上陸した台風は過去11例しかない。今回の上陸は2012年以来14年ぶりで、過去4番目に早いという。そのメカニズムや注意点を専門家に聞いた。
◇「6月上陸」11例だけ
2日に九州南部に接近した台風6号は、3日にかけて西日本から東日本の太平洋側に近づき、広い範囲で警報級の大雨をもたらす恐れがある。
「台風が6月に日本列島にここまで接近するのは珍しい」。気象庁の担当者は取材に答えた。
気象庁によると、台風6号は5月27日にフィリピン東の海上で発生。太平洋上の高気圧の周りを流れる風に乗って北上した。宮崎市田野では2日午後5時までの24時間の雨量が6月としては観測史上最も多い306・5ミリに達した。
◇台風が梅雨前線を強化
「6月の台風」で気になるのは梅雨前線の位置だ。今回は、梅雨前線が九州から日本列島の南にのび、その南西側にある台風とともに北上しているため、広範囲で大雨が見込まれている。
メカニズムはこうだ。台風から湿った暖かい空気が前線に流れ込むことで、前線の活動が活発化。台風よりも先行する前線に伴ってまとまった雨が降り、その後に台風本体の接近に伴う雨が追い打ちをかける。
京都大防災研究所の伊藤耕介准教授(気象学)は「前線の活動を台風が強めている側面がある。激しい雨が長時間持続する可能性があり、注意が必要だ」と指摘する。
また、気象庁によると、日本付近の太平洋の海水温は平年より1~2度高い。大気中の水蒸気量が増えて、台風が勢力を維持しやすい環境にあるという。
東京大の中村尚名誉教授(気候力学)は「暖流である黒潮に沿うように台風が移動するため、勢力が衰えにくい。豪雨に伴う土砂災害や河川の氾濫に注意が必要だ」と説く。【岡田英】
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