「好戦的だ」 陸自部隊のロゴに批判続出 隊員が生成AIで作成

2026/05/03 17:36 

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 陸上自衛隊の第1師団第1普通科連隊(東京都練馬区)が公式X(ツイッター)で部隊の新しいロゴマークを公開したところ、「好戦的」などとする批判がインターネット上で続出。連隊は公開から3日で使用を中止した。

 陸自や関係者によると、部隊のロゴマークは隊員の団結心を高めるために隊のTシャツに付けるなど、主に内部で使われる。今回問題になったのは第1普通科連隊の傘下にある第4中隊のもので、4月29日に公開された。

 迷彩服を着用したゾウが小銃を手にしたデザインで、背景や左目に青い炎が浮かんでいる。関係者によると、ゾウは部隊の象徴とされ、青はシンボルカラー。小銃は歩兵部隊であることを意味しているという。

 ◇「著作権侵害では?」指摘も

 ゾウの左胸に人間の頭蓋(ずがい)骨が描かれている点もあり、ネット上では「好戦的」などと批判されている。

 「頭蓋骨は生きていらした方の亡骸(なきがら)だ。犠牲者や被災者への敬意を欠いている」

 「人殺しのための軍隊みたいなロゴはやめてください。自衛隊の優しかった印象が地に落ちた」

 「自衛隊の皆さんには感謝と敬意を持っているが、驚いた。こんな好戦的なロゴになる雰囲気が蔓延(まんえん)しているのか」

 ――などと厳しい意見が並ぶ。

 また、タイの国境警備警察に関連したとみられるロゴマークと酷似していて、「著作権を侵害しているのでは」との指摘もあった。

 陸自によると、第4中隊は2002年からゾウのロゴマークを使っていたが、長く使用していたことから「中隊の団結や士気、帰属意識の高揚」を目的に今回のロゴマークに変更した。

 ◇チャットGPTで作成

 デザインは中隊長や隊員らの意見を踏まえて、隊員が生成人工知能(AI)「チャットGPT」で作成。AIに「ゾウ」「マンモス」「かっこいい」「青い炎」「擬人化」「自衛隊」といったキーワードを入力してデザインするよう指示したという。

 できあがったロゴマークは中隊長が了承し、Xでの発信は第1普通科連隊長が了承したという。

 連隊は3日までにロゴマークの投稿を削除。2日付の投稿では「国民の皆様に、より適切に部隊をご理解いただき、親しみをもっていただくといった観点も重視すべき」だとして使用を中止すると明らかにした。

 陸自は「デザイン全体を総合的に見直した結果、国民の皆様からの受け止めについて想像が足りず、積極的に部外発信をするものではなかったと認識した」と説明した。

 著作権侵害との指摘については「現時点で(被害を訴えるような)訴状は届いていないものと承知している。仮に著作者が著作権の侵害を申し立て、訴訟となった場合は、訴状が届いた時点で内容について関係機関と検討の上、適切に対応する」としている。作成の際に模倣したのか、意図とは別にAIが勝手に収集したのかなどについては明らかにしなかった。

 自衛隊関係者は「部隊のロゴマークは、隊員の団結や士気高揚など内向きの意味合いが強いが、自分の部隊以外の人たちに見られることを前提に、万人から理解されるものが望ましい」と話した。【宮城裕也】

毎日新聞

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