早朝のサイレン、広範囲に煙…山林火災、岩手知事「不安解消を」

2026/04/24 21:29 

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 岩手県大槌町で22日午後に発生した山林火災は24日、焼失面積が約730ヘクタールに達した。火の勢いは増すばかりで、町内の広い範囲が煙と焦げ臭いにおいに覆われた。町民は不安感を募らせながら消火活動を見守った。

 「ウーウー、カーンカーン」。町内では早朝から消防車両が行き交い、サイレンが聞かれた。消火用のヘリコプターが空中から散水し、プロペラ音が鳴り響いた。22日午後に出火した吉里吉里(きりきり)地区では避難指示地域の拡大が防災行政無線で放送されていた。

 避難指示対象地区では自宅の様子を確認しながら避難しようと、山から少し離れた駐車場に車を止める町民の姿が多く見られた。

 沢山地区では、臨時休業した店舗の駐車場に車が10台ほど停車。車内の人が心配そうに白煙が上がる山林を見つめていた。店から約200メートル離れた地区内の集落に住んでいるという60代女性は「近所でも火災が発生し、住民が消そうとしていると知人から電話が入った。とにかく集落が燃えないでほしい」と祈るように語った。

 大槌湾に面した安渡(あんど)地区でも、コンビニエンスストアの駐車場に車がずらり。車外に出てスマートフォンで煙が上がる山側を撮影したり、電話をしたりする姿が見られた。店から約100メートル先の山の斜面では炎が上がり、ヘリが消火活動をしていた。近所の人によると、一度放水で火の勢いが弱まったが、再び燃え上がったという。

 23日に陸上自衛隊のヘリで上空から被害状況を視察した達増拓也知事は24日の定例記者会見で「町民の不安を解消したい」と語り、避難者の健康確保を支援する考えを示した。

 知事は「今年の春先に沿岸地方で乾燥が続き、火災が発生した22日に風が強かったことが相まって、非常に大きな火災になった」と分析。視察時の状況を「市街地近くまで火が近づいていて、煙は市街地の中まで入り込んでいる」と語った。

 その上で、「住民はかなり不安で、火の手に近い所は恐怖を感じる状態」として、総務省消防庁に支援を要請し、避難者の健康を確保するため岩手医科大学の医師が現地入りしたことを説明した。

 また、雨が降らないという天気予報もあり、避難が長期化する可能性があるとし、「心のケアを含めて、避難しているみなさんの健康に対して、医療機関や福祉関係者と連携して対応する」と話した。【奥田伸一、山田英之】

毎日新聞

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