取り調べで「反社」発言 被告が刑事裁判を要求 「黙秘権軽視」
詐欺事件で男性被告を「反社会的勢力(反社)」などと侮辱したとして、特別公務員暴行陵虐容疑で告訴されて不起訴になった男性検事(57)について、取り調べを受けた被告が3日、刑事裁判を開くよう求める付審判を東京地裁に請求した。検事は自白を得るために侮辱や威迫を繰り返したとし、「黙秘権を保障する憲法の趣旨を著しく軽視した」と主張している。
請求したのは、太陽光発電関連会社「テクノシステム」(東京都)社長の生田尚之被告(52)=1審で懲役11年、控訴中。金融機関から融資金約22億円をだまし取ったなどとして、2021年に東京地検特捜部に逮捕・起訴された。
被告側によると、特捜部に所属していた検事は41日連続で計205時間、被告を取り調べた。「検察庁を敵視するってことは反社や」などと侮辱した他に、黙秘する被告に「黙秘をするのはどMや」「逃れられんよ、黙秘したところで」などと発言して精神的な苦痛を与えたとしている。
付審判請求は、公務員の職権乱用について告訴・告発した人が不起訴処分に納得できない場合、裁判所に刑事裁判を求めることができる手続き。3月に社長を有罪とした東京地裁判決は、検事の取り調べを「不相当」としつつも他の証拠から有罪とした。被告は24年、検事の取り調べで精神的苦痛を受けたとして、国に1100万円の賠償を求める訴訟を起こしている。
特捜部検事の取り調べを巡っては、大阪地検が捜査した業務上横領事件で「検察なめんなよ」などと威圧的な取り調べをしたとして、男性検事(53)が付審判請求され、特別公務員暴行陵虐罪で公判が開かれることが決まっている。【五十嵐隆浩】
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