安倍元首相銃撃 山上被告側が控訴へ 量刑不当や一部無罪主張の方針

2026/02/03 17:57 

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 安倍晋三元首相(当時67歳)が2022年7月、奈良市で参院選の応援演説中に銃撃され死亡した事件で、山上徹也被告(45)に求刑通り無期懲役を言い渡した奈良地裁判決について、被告側は控訴する方針を固めた。弁護側は1審で被告の不遇な生い立ちを重視すべきだとして懲役20年以下の判決を求めており、控訴審では量刑不当や一部無罪を主張する方針。控訴期限の4日に控訴するとみられ、被告にも説明済みという。

 1月21日の裁判員裁判判決は、被告の犯行態様は極めて危険で悪質性が高く、演説会場での手製銃の発砲によって公共の静穏や安全も大きく侵害されたと指摘。極めて高い計画性や結果の重大性を訴えた検察側の主張を全面的に支持した。

 被告の母親が世界平和統一家庭連合(旧統一教会)に入信したことで家庭内でいさかいが起き、これらが事件の遠因になったことは認めた。

 一方で、被告が教団に対する激しい怒りを抱いたとしても、銃の製造を計画して殺人を実行するという意思決定に至ったことは「大きな飛躍がある」と判断。被告の生い立ちは犯行に大きく影響しておらず、酌むべき余地は大きくないとして無期懲役を言い渡していた。

 被告は殺人罪のほか、銃刀法違反(発射、加重所持)▽武器等製造法違反▽火薬類取締法違反▽建造物損壊罪――にも問われ、弁護側が無罪を主張していた発射罪についても違反が成立していると認めていた。

 判決によると、被告は22年7月8日、奈良市の近鉄大和西大寺駅前で、手製銃を発砲し、演説中だった安倍氏を失血死させた。

 弁護側証人として奈良地裁の公判に出廷し、判決後に被告と面会した北海道大大学院の桜井義秀特任教授(宗教社会学)によると、被告は判決について「出る前から(無期懲役となることは)雰囲気で分かった。覚悟していた」と話したとされる。【田辺泰裕】

毎日新聞

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