ヒグマ捕獲数、24年度は過去3番目 フランス料理店で活用も
北海道は、2024年度に道内で捕獲されたヒグマが1026頭だったと発表した。過去最多だった前年からは減少したものの、統計を取り始めた1962年以降では過去3番目に多かった。25年度も24年度を上回るペースとなっており、人の生活圏への出没が増えている近年の傾向が改めて浮き彫りとなった形だ。
道ヒグマ対策室によると、過去最多は木の実が不作だった23年度の1804頭。次いで21年度の1056頭が多かった。24年度はドングリなどの実なりが良かったため、人里への出没が減ったとみられている。
24年度の内訳は、被害防止のために猟銃やわなを使用する「許可捕獲」が981頭、登録制の「狩猟」が45頭だった。
25年度はドングリ類が凶作だったため、再び増える可能性がある。10月末までの許可捕獲だけで963頭(速報値)に上り、昨年度に迫っている。
捕獲頭数は、春グマ駆除が廃止された1990年から増加傾向にある。このため殺処分されるヒグマの食肉を有効活用しようと、飲食店で提供する取り組みも見られる。
札幌市西区のフランス料理店「レ・カネキヨ」は、今年から美瑛町のハンターと直接提携し、ヒグマ肉を仕入れるようになった。
ヒグマの骨やすじ、ミンチ肉から丁寧にうまみを引き出した「ヒグマのコンソメ」は、特有の風味がストレートに味わえると評判。かみ応えのある「ロースト」、骨付きバラ肉を柔らかく仕上げた「煮込み」と一緒に、夜のコース料理に追加することができる。
シェフの藤本清さん(50)は「恐ろしくて凶暴というイメージから想像するクセの強さはない。手をかけて、よりおいしくするのがフレンチ。せっかくの命を無駄なくおいしく食べてもらいたい」と話している。【伊藤遥】
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