拉致被害者・有本恵子さんの姉が初登壇 日朝首脳会談の早期開催訴え

2025/11/03 20:19 

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

 北朝鮮による拉致被害者の早期帰国を求める「国民大集会」が3日、東京都千代田区で開かれた。拉致された有本恵子さん(行方不明時23歳)の姉、北谷昌子さん(69)が初めて登壇し、拉致問題の解決に向けて、日朝首脳会談を早期に開催するよう訴えた。

 集会は、拉致被害者家族会や支援団体などの主催で、約800人が参加した。

 北谷さんは、恵子さんとの再会を果たせぬまま2月に96歳で死去した父の有本明弘さんと2020年に94歳で亡くなった母嘉代子さんとの思い出を語った。

 両親は生前、子どもたちの生活を気にかけていたようで、拉致問題に関する活動に関わらせようとしなかったという。北谷さんは「父の死後、考えていたことはきょうだいみな同じだった」として、恵子さんの帰国を諦めてはいけないという思いで家族会に入ったと説明。「恵子は生きていると思っている」と強調した。

 集会には高市早苗首相も出席しており、横田めぐみさん(行方不明時13歳)の弟で家族会代表の拓也さん(57)は「日朝首脳会談を開催し、両国にある人権・人道問題を解決することで両国が明るい未来を描けることを、自らの言葉に熱量を込めて金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党総書記に発してほしい」と求めた。

 めぐみさんの母早紀江さん(89)は「不思議な力が働いて解決に向かうことを心から願っている」と話した。【木下翔太郎】

毎日新聞

社会

社会一覧>

注目の情報