伊藤新王座「まだまだ実感湧かない」 王座戦第5局振り返り

2025/10/28 22:29 

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 甲府市で指された将棋の王座戦五番勝負第5局で、伊藤匠叡王(23)が藤井聡太王座(23)に勝ち、3勝2敗で王座を奪取して2冠となった。藤井王座は6冠に後退した。伊藤新王座は終局後、「最近はよい状態だったので、結果が出てよかった」と充実したシリーズを振り返った。終局後に語った主な内容は以下の通り。

 ◇徐々に内容よくなった

 8六飛とぶつける局面を指してみたかった。それ以降、結構手が広い局面が続くと思っていて、その中で本譜7三桂からかなり激しい展開になって、難しい局面が続いていた。

 中盤はちょっとよく分からないまま指していた。5四歩に手抜いて9七歩成から攻められる変化も分からなかった。本譜は5三歩が入って手段がありそうな気がしたが、結構難しいのかなと感じていた。

 最後まで全く分かっていなかったが、5七に銀を上がった局面で具体的にどうされるか分からなかったので、そのあたりはもしかしたら指せていたかなという気がする。

 第1局はあまり内容がよくなかったが、そこから徐々に内容をよくしていくことができた。フルセットになったが、最終局も終盤まで難しい将棋が指せたと思うので、充実したシリーズになった。

 (2冠獲得は)まだまだ実感が湧かないところだが、最近はよい状態で対局に臨むことができたと思うので、その中で一つ結果を出すことができてよかった。藤井さんとのタイトル戦は1年以上間が空いていて、どういう戦いができるのかという不安もあったが、結果的に熱戦のよいシリーズにすることができたのでうれしい。

毎日新聞

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