須磨学園高、第三者委のいじめ報告書公表せず 元生徒側が公表求める

2025/10/25 16:22 

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 須磨学園高(神戸市須磨区)が校内であったいじめの問題を巡り、文部科学省のガイドラインで公表が望ましいとされる第三者委員会の調査報告書を、完成後も約1年間にわたって公表していないことが分かった。第三者委設置を求めた元生徒側は当初から公表を求めており、兵庫県に対して学校に公表を求めるよう改めて要望した。

 第三者委の認定事実によると、2022年10月、X(当時はツイッター)で実名を挙げられて「死ね」などと同級生に書き込まれた。その後、体調を崩して転校したという。第三者委は24年10月、これらを「いじめに該当し、重大事態にあたる」と認定。学校側が当初いじめと認めず、教員の対応も不十分だったと指摘した。

 学校側は24年4月、元生徒側の説明への反論と、学校独自にまとめた報告書をホームページで公表(後に元生徒側から抗議を受け削除)。第三者委の報告書は今年5月に県に提出したものの、いまだに公表していない。

 これらについて、学校側の代理人弁護士は「訴訟になる可能性もあるため回答は差し控える」としている。元生徒の父親は「私たちにとっては報告書の公表がひとつの区切りだった。都合の悪い事実を隠したいだけではないか」と憤った。【稲生陽】

毎日新聞

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