群馬でドングリが凶作 クマ出没に注意 目撃最多の2020年も凶作

2025/10/09 15:30 

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 群馬県北部に約2000頭が生息するとされるクマ。その主な餌となるドングリの実り具合は、この秋「凶作」となり、統計のある2013年以降で最低水準だったことが県の調査で分かった。県は、クマが餌を求めて人里に出没する可能性が極めて高くなると予測し、注意を呼びかけている。

 県鳥獣被害対策支援センターは9月上中旬、利根沼田地域の調査木約630本を目視で判定。実り具合を示す豊凶指数は「大豊作」から「無(結実がみられない)」までの7段階あり、この秋は下から3番目の凶作だった。樹種別では、ブナが大凶作、ミズナラとコナラは凶作、クリとミズキは不作だった。

 5種合計の指数が凶作となるのは2020年以来。この年はクマの目撃・出没件数(9〜12月)が473件で13年以降で最多となり、8~10月に6件の負傷事案が起きた。

 今年度は、すでに4件の負傷事案が発生。9月にみなかみ町で栗拾いをしていた男性が襲われ、10月に沼田市内のスーパーで2人が軽傷を負うなどした。

 センターによると、例年クマの目撃がない地域でも注意が必要といい、市町村などが提供する出没情報などで確認することが重要。クマを人里に引き寄せないよう、農作物や果樹は残さず収穫することも呼びかけている。【坂巻士朗】

毎日新聞

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