「胃がんでも保釈認めず病死」 危機感募らす最高裁、研究会実施へ
化学機械メーカー「大川原化工機」(横浜市)の冤罪(えんざい)事件を受け、最高裁は全国の裁判官を対象に保釈のあり方を議論するための研究会を開くことを決めた。得られた知見を全国の裁判所で共有し、適切な保釈の運用確保につなげる狙いがある。
裁判官らの研修を担う司法研修所で2026年1月に専門の研究会を開き、保釈に関する意見交換を行う。全国で刑事事件に携わる裁判官約40人が集まる見通し。外部講師を呼ぶことも検討し、状況次第では継続的に議論の場が設けられる可能性もある。
背景には否認や黙秘をすれば簡単に保釈が認められない「人質司法」への批判の高まりがある。警察、検察が大川原化工機冤罪事件で謝罪する一方、裁判所側の対応は遅れ、国民からの信頼低下に危機感を募らせる声が内部から上がっていた。
大川原化工機元顧問の相嶋静夫さんは、胃がんで亡くなるまで8回の保釈を求めた。ともに起訴された社長ら2人も含めると保釈請求は計20回に上った。判断にあたった裁判官は計23人。1度だけ相嶋さんに認められた保釈も検察側の不服申し立てで覆った。
相嶋さんは妻から保釈を優先するよう促されても、最後まで警察・検察に迎合しなかった。体調の悪化から勾留が一時的に中断され、拘置所から外部の病院に移ったものの、遺族には「裁判官が保釈を認めてくれたら命を落とさなかった」との思いが消えない。
憲法76条は「裁判官の独立」を保障する。外部の干渉から独立して自由で公平な判断を実現するためだ。ただ、この規定はかねて組織の検証を難しくする要因にもなってきた。
研究会という手法は過去にも再審手続きなど多くの裁判官が現場で直面する問題で採用されたことがある。今回の事件で問題視された論点が具体的に議論され、知見が深まれば教訓を導き出せる可能性がある。実務の改善につなげていかなければ、国民からの信頼は得られないだろう。【三上健太郎】
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