佐賀県警の科捜研職員を書類送検 DNA型鑑定、7年で不正130件
佐賀県警は8日、科学捜査研究所(科捜研)に所属する40代の男性技術職員がDNA型鑑定を巡り、実際にはしていない鑑定を実施したかのように装って報告するなど、7年以上にわたり130件の不正行為をしていたと確認されたと発表した。県警は同日付で男性を懲戒免職とし、虚偽有印公文書作成・同行使や証拠隠滅などの容疑計13件で書類送検した。
130件のうち16件は、事件の証拠として検察に送られていた。窃盗や不同意わいせつ、不同意性交等、殺人未遂などの事件で、県警は「検察や裁判所に確認し、鑑定結果自体には影響ない範囲での(不正な)行為なので、捜査や公判には影響ない」と説明した。
佐賀地検は取材に「処分の決定や公判での証拠として使用された事例はなく、捜査や公判に影響したものはなかった」と答えた。
警察庁はDNA型鑑定を巡る不正を防ぐため、再発防止に向けた通達を全国の警察に同日付で出した。
県警によると、男性は2012年に採用。15年にDNA型鑑定の資格を取得後、男性が1人で担当した鑑定632件のうち、17年6月~24年10月の130件で不正が認められた。
うち9件は、事件の実際の試料を使わず、DNA型が検出されないと分かっていた過去の別の試料で鑑定し「検出されなかった」と虚偽報告。他にも、鑑定後の試料を紛失したのにごまかして別の試料を警察署などに返却したり、作業経過の記録の日付を書き換えたりするなどしていた。
24年10月に男性が提出した書類の不備が見つかったことから、県警が内部調査を実施。男性が担当した632件のうち124件は試料が残っており再鑑定したところ、8件は異なる鑑定結果が出たが、個人を特定できる結果ではなかったという。鑑定せずに虚偽報告していた9件も再鑑定したが、正しい試料からDNA型は検出されなかった。
虚偽の報告の理由について、男性は「早く取り扱いが終わると思った」と説明。日付の書き換えなどは「短期間で終わらせたと上司に思わせることで、仕事ぶりをよく見せることができると思った」「仕事が遅いという指摘を避けるため」などと語ったという。
男性の不正を7年以上も見逃したことに、県警は「上司による精査や確認が不十分だった」と釈明。監督責任として県警本部の技術職員2人を本部長注意、技術職員1人を所属長注意とした。中嶋昌幸警務部長は「県民の信頼を著しく損ねる事案で厳重に処分した。職員に対する指導教養を徹底し、再発防止に努める」とのコメントを出した。
県警科捜研が24年に取り扱ったDNA型鑑定は1233件で、3年前の1・3倍と増加傾向にある。態勢は鑑識課長を兼ねる所長以下16人。【成松秋穂、山崎征克】
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