暴力団とみかじめ料やり取りした疑い スカウトグループ幹部らを逮捕

2025/08/21 11:35 

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 女性を性風俗店へあっせんするスカウトグループが暴力団員とみかじめ料(用心棒代)のやり取りをしたとして、警視庁暴力団対策課は21日、国内最大規模のスカウトグループとされる「ナチュラル」幹部、佐藤雄己容疑者(32)=住所不定=ら3人を東京都暴力団排除条例違反の疑いで逮捕したと発表した。

 ナチュラルは匿名・流動型犯罪グループ(トクリュウ)とされている。警視庁は、トクリュウが活動で得た報酬の一部がみかじめ料として暴力団に流れたとみている。

 他に逮捕されたのは、ナチュラルのメンバー、斎藤佑之介(29)=東京都新宿区西新宿7=と特定抗争指定暴力団山口組系傘下組織幹部、忽滑谷(ぬかりや)翔一(39)=渋谷区元代々木町=の両容疑者。

 逮捕容疑は、2023年7月24日、条例で「暴力団排除特別強化地域」と指定された東京都渋谷区宇田川町の路上やその周辺でのスカウト活動を容認することへのみかじめ料として、現金60万円を授受したとしている。3人は黙秘しているという。

 警視庁によると、現金の受け渡しは同区富ケ谷1の飲食店で行われ、佐藤、斎藤両容疑者が同席。みかじめ料は月額で、定期的に授受していたとみている。

 ナチュラルは09年ごろから東京・歌舞伎町を中心に活動を始めたとみられる。女性をあっせんした各地の性風俗店から報酬の「スカウトバック」を受け取り、年間約45億円を売り上げたとされる。

 ナチュラルは20年6月、歌舞伎町でのスカウト活動を巡り、指定暴力団住吉会系組員らと乱闘事件を起こし、双方から逮捕者が出た。警視庁は、ナチュラルがその後、各地の暴力団と協力関係を築き、みかじめ料を支払ってスカウト活動を円滑に進めたとみている。

 ナチュラルは「会長」と呼ばれる人物をトップにし、全国で1500人程度が在籍。警察の取り締まりから逃れる方法をメンバーに指導したり、秘匿性の高いアプリを開発したりしたとされる。

毎日新聞

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