ロシア・カムチャツカ半島付近を震源とする地震で津波注意報や警報が出たことを受け、東京電力は３０日、福島第１原発の処理水の海洋放出を中断し、作業員を高台に避難させた。他の原発でも港湾部での作業を中止するなど対応に追われたが、いずれも設備への異常は確認されていない。

　東電は福島県への津波注意報発表に伴い、午前９時５分に海洋放出を停止。海抜２・５メートルにある設備が損傷する恐れがあるため、津波注意報で停止する運用に沿って対応した。また福島第１、第２両原発の作業員に高台へ避難するよう指示し、午前１０時４０分ごろまでに全員が避難したことを確認した。

　２号機が運転中の東北電力女川原発（宮城県）では午後１時３７分に約６０センチの津波を観測。再稼働に向けた工事中の日本原子力発電東海第２原発（茨城県）では午後３時５分ごろに約４０センチの潮位変動があった。【木許はるみ】