文言でトーン変え…俳優・声優志望の学生、詐欺防止へ啓発音声収録

2025/07/03 07:45 

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 警視庁蒲田署は2日、警察官をかたる特殊詐欺の被害防止を啓発するメッセージを収録した専門学校生4人に、感謝状を贈呈した。いずれも俳優や声優志望の学生で、収録した音声は巡回するパトカーのスピーカーから流すアナウンスに使われる。

 日本工学院専門学校(東京都大田区)の声優・演劇科の2年生が「その電話、本当に警察官ですか」「私は詐欺に引っかからない。そう思っていないですか?」などのメッセージの文言を考案。校内のスタジオで収録した。

 この日、JR蒲田駅前であった贈呈式では、収録の様子を収めた動画が蒲田西口商店街のアーケードに設置された大型ビジョンでお披露目され、学生らが通行人に啓発を促すチラシを配布した。

 藤田義徳署長から感謝状を受け取った日野梨花(りか)さん(19)は「祖母に特殊詐欺の電話がかかってきたことがあり、怖いと思っていた。文言によって声のトーンを変えるなど工夫したので、幅広い世代に伝われば」と話した。

 同署管内では、今年上半期の特殊詐欺の被害が38件(被害額計約2億5200万円)で、警察官を装う手口が22件(同約1億2265万円)を占める。このうち被害者の半分が50代以下と、年代を問わず被害が深刻になっている。【山本康介】

毎日新聞

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