生活保護訴訟原告「寝耳に水」 緊急声明 専門家会議設置の撤回求め

2025/07/02 17:56 

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 2013~15年に生活保護費を最大10%減額した厚生労働省の措置を違法とした先月の最高裁判決について、福岡資麿厚労相が対応を検討する専門家による会議体を設ける方針を表明したことを受け、訴訟の原告側は2日、「寝耳に水だ」などと抗議する緊急声明を出した。厚労省から事前に知らされておらず、意見も聞かれていないとして方針の撤回などを求めている。

 原告側は6月27日の最高裁判決以降、厚労省に対して生活保護受給者への謝罪や改定前の基準との差額をさかのぼって支給することを求めている。

 同30日に原告側と面会した厚労省の担当者は「判決の趣旨、内容を十分精査し適切に対応したい」と述べるにとどめたが、翌日の今月1日に福岡氏は閣議後記者会見で会議体を設置する方針を明らかにした。

 原告側によると、厚労省から説明はなかったといい、声明で「交渉の前提となる信頼関係をないがしろにするものだ」と批判した。声明は、最高裁による違法判断が確定しており、専門家が審議する必要はないと強調。速やかな方針撤回や謝罪、被害の全面回復を改めて求めた。【肥沼直寛】

毎日新聞

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