被爆者手帳を持つ人、初めて10万人下回る 体験の継承課題に

2025/07/01 19:35 

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

 被爆者健康手帳を持つ被爆者が3月末時点で9万9130人となり、初めて10万人を下回ったことが1日、厚生労働省のまとめで明らかになった。平均年齢は昨年の同時期から0・55歳上がり、86・13歳となった。原爆投下から80年を前に、被爆体験の継承が課題になっている。

 厚労省によると、昨年同時期から7695人減少した。都道府県別では広島の4万8310人が最も多く、次いで長崎の2万3543人、福岡の3957人。最も少ないのは山形の6人だった。全国の被爆者数は1980年度の37万2264人をピークに減少し、2013年度に20万人を下回った。

 被爆者援護法が定義する区分ごとの被爆者数は、原爆投下時の広島、長崎市内などにいた「直接被爆者」が5万7976人▽原爆投下から2週間以内に爆心地から約2キロ以内に立ち入った「入市被爆者」が1万7802人▽負傷者の救護や遺体処理をした人、広島原爆投下直後に降った「黒い雨」に遭い、特定の病気になった人などが1万6949人▽被爆した母親の胎内にいた「胎内被爆者」が6403人――だった。【安徳祐】

毎日新聞

社会

社会一覧>

注目の情報