単独テロ対策で「情報統合センター」 参院選に向け、警察庁が設置

2025/06/23 05:00 

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 参院選に向けて警察庁は23日、単独でテロを実行する「ローンオフェンダー(LO)」への対策を強化するため、「LO脅威情報統合センター」を設置する。近年は選挙期間中にLOが起こしたとされる事件が相次いでおり、テロの「兆し」に関する情報を全国から集め、事件防止に生かす。

 センターには、警察庁のほか警視庁、千葉、埼玉、神奈川の4都県警から公安部門の捜査員を集め、司令塔機能を持たせる。交流サイト(SNS)上の殺害予告の投稿のほか、武器製造につながる爆発物原料の大量購入や、住居からの異音や異臭といった情報を47都道府県警から集約。迅速に捜査や要人警護に活用する。

 センターの運用は参院選終了までを想定。警察庁は人員数を明らかにしていないが、4月時点で全国のLO対策の捜査員は2年前から約2倍に増えたという。

 3年前の参院選では安倍晋三元首相が銃撃され死亡。翌2023年の衆院補選では岸田文雄前首相への襲撃、24年の衆院選でも自民党本部と首相官邸前で火炎瓶が投げつけられた。警察幹部は「3年続けて選挙期間中にテロを起こさせるわけにはいかない」と警戒を強める。【山崎征克】

毎日新聞

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