JR西日本社長、自身の叱責を陳謝 「昔に戻った」と社員の指摘も

2025/06/13 20:58 

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 JR西日本の経営幹部が、2023年1月の大雪による輸送障害を受けた会議で社員を激しく叱責した問題で、長谷川一明社長は13日の記者会見で、自身に「社員を萎縮させる発言があった」として陳謝した。

 JR西が5日に公表した23、24年度分の第三者機関の調査報告書では、輸送障害を受けた23年1~2月の会議で、経営幹部の発言について複数の社員から指摘があったと記載。「JR西は昔に戻ったと感じた」などのコメントもあった。また第三者機関の報告書とは別に、経営幹部の発言について内部通報があり、外部の弁護士による調査の結果、幹部の一部が処分を受けた。JR西によると、長谷川社長は処分の対象になっていないが、人数など詳細は明らかにしていない。

 長谷川社長は会見で、自身の発言を非難する声があったことは第三者機関の報告書で初めて認識したと説明した。発言は23年2月、再び大雪が予想された際の会議中にあったとされる。「具体的に何を言ったのか覚えていない。お客様への影響を小さくしようと段取りなどについて厳しく言ったことが、社員を圧迫したのだと思う」と述べた。

 今後は「指摘を真摯(しんし)に受け止め、組織全体のコミュニケーションの向上に努めていく」とした。長谷川社長は今月の株主総会で社長を退き、会長に就任する予定。

 第三者機関の調査報告は、05年の福知山線脱線事故を受けて15年度から始まった。【小坂春乃】

毎日新聞

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