腎臓病治療の免疫抑制剤、副作用のメカニズム解明 徳島大チーム
腎臓病の治療薬として使われるようになった新しい免疫抑制剤の副作用が発症するメカニズムをマウス実験で見つけたと、徳島大の研究チームが米腎臓学会誌で発表した。今後、この薬剤が使える病気が拡大する可能性があり、副作用を予防する手法の確立につながると期待される。
この免疫抑制剤はボクロスポリン(商品名ルプキネス)。自己免疫性疾患の一種、全身性エリテマトーデス(SLE)に伴い発症するループス腎炎の治療薬として、日本では2024年9月に承認された。
ただし一部の患者では副作用で急性腎障害が起こり、人工透析が必要になるケースが知られている。詳しいメカニズムは不明だった。
チームは、ボクロスポリンを投与し急性腎障害を起こしたマウスを遺伝子改変で作成。薬の作用により、腎臓の細胞内にある小器官の一つが目玉のような異常構造になることが分かった。この小器官の機能が著しく低下して障害が起きると考えられるという。
ループス腎炎で急性腎障害を引き起こした実際の患者の腎臓細胞を観察したところ、マウスと同様に異常な小器官が確認できた。さらに、体内に存在する代謝酵素が著しく減っていることも見いだし、この酵素をあらかじめ補充しておくことで副作用を防げる可能性が示唆された。
新薬のボクロスポリンは、臓器移植に伴う拒絶反応を抑えたり、慢性関節リウマチ、炎症性腸疾患の炎症を抑えたりすることを目的に、適用の拡大が期待されている。
研究チームの長谷川一宏・徳島大准教授(腎臓内科学)は「副作用を防ぐために投与量を慎重に見極める必要があったが、予防策を取ることで治療効果を優先した投与ができる可能性がある。副作用の機序が分かることで、患者は安心して利用できる」と話している。【渡辺諒】
-
質の高い論文への貢献度ランキング、中国躍進 東大・京大は過去最低
国際科学誌ネイチャーを発行する学術出版大手シュプリンガー・ネイチャーは11日、自然科学分野で質の高い研究論文への貢献度ランキングの2025年版を発表した。研究…社 会 1時間前 毎日新聞
-
JR西日本社長、自身の叱責を陳謝 「昔に戻った」と社員の指摘も
JR西日本の経営幹部が、2023年1月の大雪による輸送障害を受けた会議で社員を激しく叱責した問題で、長谷川一明社長は13日の記者会見で、自身に「社員を萎縮させ…社 会 15時間前 毎日新聞
-
警察官、車に拳銃3発を発砲 職務質問で暴れた容疑者逮捕 千葉・旭
13日午後4時ごろ、千葉県旭市鏑木の路上で、旭署地域課の男性巡査部長が、突っ込んできた車に拳銃3発を発砲した。発砲によるけが人は確認されていない。 県警によ…社 会 15時間前 毎日新聞
-
万博マルタ館の工事費1.2億円未払い 下請け業者が支払い求め提訴
大阪・関西万博に出展しているマルタパビリオンの建設工事を請け負った関西の建設会社が、工事費用の一部が未払いだとして、元請けの外資系イベント会社(東京都)に対し…社 会 16時間前 毎日新聞
-
国保未納や医療費不払いの外国人、在留審査を厳格化へ 骨太の方針
政府は13日に閣議決定した「骨太の方針」で、外国人の在留審査に社会保険料の未納や医療費の未払い情報を有効活用する方針を盛り込んだ。一定期間の滞納がある場合、在…社 会 17時間前 毎日新聞