大川原化工機側「自分たちは間違っていなかった」 冤罪控訴審
化学機械メーカー「大川原化工機」(横浜市)の冤罪(えんざい)事件を巡り、大川原側が東京都と国に賠償を求めた訴訟の控訴審判決で、東京高裁は28日、1審に続いて警視庁公安部と東京地検の違法捜査を認め、都と国に賠償を命じた。
28日の東京高裁判決について、大川原化工機側は「認めてほしかった事実をほとんど全面的に認めてもらった」と評価した。
判決後、法廷から出てきた大川原正明社長(76)は「全面勝訴」の幕を掲げ、ほっとした表情を見せた。その後の記者会見で「噴霧乾燥器は平和に貢献できるものに限って扱ってきた。自分たちは間違っていなかったと裁判官が認めてくれた」と満足そうに語った。
訴訟では現職警察官3人が法廷で「捜査は捏造(ねつぞう)」などと捜査を批判した。元取締役の島田順司さん(72)は「3人は葛藤もあったと思うが、正直に証言してくれてありがとうと言いたい」と振り返った。
大川原社長と島田さんは332日間勾留され、保釈後も起訴取り消しまで社員との接触を禁じられた。元顧問で技術者の相嶋静夫さん(享年72)は、勾留中に胃がんが判明したにもかかわらず、保釈が認められずに亡くなった。
島田さんは任意の取り調べ中、同様に取り調べを受けていた相嶋さんと警察署でばったり会い、「これが終わったら一杯やろうな」と声を掛けられていた。それから会えないままだったが、「あれから5年。きょうの判決でやっと一杯できる」と感慨深げだった。
記者会見に参加した相嶋さんの長男(51)によると、相嶋さんは病床で「今に見てろよ」と話したという。この日の判決を聞き「父の言葉を裁判長が代弁してくれたと思った」。一方、東京都と国に対しては「上告にエネルギーを使わず、組織改革を早急にやってもらいたい」と怒りをにじませた。
大川原社長は警視庁と東京地検に対し「良い警察・検察になろうという思いが全然伝わってこない。まずは自分たちがやってきたことを認めてきちっと謝罪し、検証してほしい」と注文を付けた。【安達恒太郎】
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