覚醒剤事件の取り調べで警察官が居眠りをしている間に逃走を図ったとして、神奈川県警川崎署は２４日、自称個人配送業の高井康平容疑者（３２）＝川崎市川崎区渡田１＝を単純逃走未遂容疑で逮捕した。署から約２００メートル離れた路上で署員に取り押さえられたという。

　同署によると、高井容疑者は同日午前４時５５分ごろ、「覚醒剤をやっています」などと言って交番に出頭した。同署は粉末状の覚醒剤１袋（０・５５グラム）を所持していたとして、覚醒剤取締法違反容疑で現行犯逮捕した。

　午前９時３５分ごろに同署の部屋で取り調べを終えると、高井容疑者は隙（すき）を見て逃走。取り調べは署員２人が担い、１人は指紋採取の準備などで部屋を退出し、監視役のもう１人は居眠りをしていたという。５分後に正面玄関から約２００メートル離れた路上で、追いかけた署員が現行犯逮捕した。

　高井容疑者はいずれの容疑も認めている。居眠りをした署員は、多忙で十分な睡眠がとれず「一瞬意識を失った」と話しているという。【矢野大輝】