「子どもの性被害、時効撤廃を」 旧ジャニーズメンバーらが署名提出

2025/05/21 20:20 

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

 子どもの性被害に対する損害賠償請求の時効撤廃を求めて旧ジャニーズ事務所(現SMILE―UP.=スマイルアップ)の元メンバーらでつくる団体が21日、賛同者6万2223人分の署名を衆院の各政党に提出した。団体は「子どもは被害を認識できなかったり、訴える判断ができなかったりする。時効の存在は酷だ」と訴えた。

 民法には、不法行為を受けた被害者が加害者に損害賠償を求める場合、被害を知った時から3年もしくは5年で損害賠償請求権が消滅するという時効の規定がある。

 団体は、時効によって被害回復ができなくなるのはおかしく、子どもへの性暴力を抑止するためにも時効を適用するべきではないとして、今年1月からオンラインや街頭で賛同を求める署名活動をしてきた。

 ドイツでは子どもの性被害は21歳まで時効が停止する制度があり、アメリカでは2022年に子どもの性被害の時効を撤廃する法律ができたという。

 旧ジャニーズ事務所創業者・故ジャニー喜多川氏による性加害も長年表面化することがなく、時効の対象となる被害者も多かったが、事務所はこうした被害者にも補償を進めている。

 団体の共同代表の中村一也さん(37)は署名提出後に東京都内で記者会見し、「長年、泣き寝入りをしてきた。時効撤廃を実現し、被害者が声を上げやすい社会にしたい」と話した。【巽賢司】

毎日新聞

社会

社会一覧>

注目の情報