今年はクマ出没増か 秋田・十和田湖、入山禁止厳格に 3人死傷1年
秋田県鹿角市の十和田湖付近でタケノコ採りをしていた男性が死亡し、救助中の警察官2人がクマに襲撃されて負傷した被害から今月で1年になる。現場付近の山林は6月30日まで入山禁止となり、警察や行政関係者らの巡回が続く。5月は例年タケノコ採りの時期だが、市などは現場付近のクマへの注意喚起をより強めている。
「クマによる人身事故防止のため、この先は山菜採取による入山禁止」「許可なく採取を行うと軽犯罪法に問われる恐れがあります」。15日、男性が襲撃された現場に近い山道の入り口では、新たにこんな看板が置かれていた。この近くにある紫明亭展望台の入り口も入山禁止のロープが張られていた。周辺の道路を車で走ると、20分ほどで2台のパトカーとすれ違った。
市の担当者は「被害の再発防止のため、市や秋田県警は本気だ。5月はタケノコの旬なので採りに出かけたい人は多いが、この現場周辺で駐車を見かければ市も時刻や場所、ナンバーを記録し、警察に連絡している」と話す。鹿角市や小坂町内の一部の山林は入山禁止だが、小坂町は現場から少し離れた場所であれば、自己責任での入山を黙認している。
だがタケノコの収穫減は明らかで、町内の道の駅の物産店の店員は「この辺のタケノコは甘くておいしいが、今年は値段がさらに上がるだろう。一部の町民の収入にも影響が出る。入山できなくなれば竹がそのまま放置されて密集し、さらに採りづらくなるのでは」と話す。
鹿角市によると、2024年度のクマの目撃件数は約170件で、大量出没した23年度の317件を大きく下回った。24年はクマの好物のブナの実が一定程度に結実し、多くのクマが山奥にとどまったためとみられる。しかし今年は再び不作になる可能性があり「今年は出没が増えるかもしれない」と警戒する。
市の担当者は「山菜採りの際にクマや山林に関する知識が不十分なまま立ち入ると、本当に命の危険がある」と訴える。特に秋田の鹿角市や仙北市を中心に活動するクマの中には「通常の行動では考えにくい、鈴やラジオの音で積極的に接近してくる危険なクマが含まれている」と言う。入山禁止区域を改めて十分確認し、そこには立ち入らないよう呼びかけている。【工藤哲】
◇事故の概要
2024年5月15日、秋田県鹿角市十和田大湯でタケノコ採りのため山に入った青森県在住の60代男性と連絡がつかなくなっていると、知人から通報を受けた警察と消防が捜索を始めた。その後、現場で男性の遺体が見つかった。現場から遺体を運ぼうとした警察官2人も、18日にクマに襲われ負傷した。周辺の林道の拡幅工事が行われ、22日に男性の遺体は収容された。
この現場から5キロほど東の鹿角市内の別の山林でも、2016年5~6月にタケノコ採りなどで訪れた4人が死亡。クマに襲われたとみられている。
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